第24章 ●獲る●
「あ、あの、アイスティー飲みますか?」
「うんっ、ありがと建人。」
笑顔の彼女にアイスティーを差し出し、自分もシャワーを浴びにバスルームに向かう。
さっきのはヤバかった。
熱めのシャワーを浴びながら昂り始めた自分を律する。
シャワーが終わり、ラフなシャツとハーフパンツの部屋着を着た。
「うわぁ、スゴっ。」
リビングへ戻ると、恋がスマホを見ながら独り言を言っていた。
「どうしたんです?」
「スマホの音消してたから気づかなかったんだけど、大量にメッセージ届いてる。」
「五条さんですか?」
「うん。電話帳に入ってる人以外は着信拒否にしてるから、メッセージ送ってるみたい。」
五条さんの番号、電話帳からも消したって事か?
「どういった内容ですか?」
一応、聞いてみた。
「謝罪と言い訳。後は、七海とヤるのか?とか、ヤったら教えろって言ってきたかと思ったら、また謝罪、それと恋ちゃぁん、エッチなお仕置きしてくださぁい。とか?」
「最後のはどういう意味ですか?」
「さあ?アイツちょっとMっ気あるから。マミちゃんにいじめてもらえばいいんだよ……オエッ、想像したら気持ち悪くなってきた。」
その時、恋のスマホが鳴った。
「あっ、硝子だ……まさか、悟が電話奪ってかけてたりして。」
「じゃあ、私が出ましょう。」
スマホを受け取り、通話ボタンを押す。
「はい。」
「あっ、七海?」
「はい。家入さんでしたか。」
「うん?どういう意味?」
「いえ、もしかしたら五条さんかもしれないので私が出ました。変わります。」
「待って!七海、どうだった?」
「何がです?」
「まさか、アンタまだチャンス活かせてないの?」
「別に私はそんなつもりじゃ………」
「どうせアンタの事だから弱ってるところにつけ込むのは良くない、とか考えてんだろうけど。ここで動かなきゃ五条から奪い返せないよ。」
「そんな事はわかってます。」
少し強めに言った。