第24章 ●獲る●
「あっ、あなたは臭くなんてありませんよっ!それどころかとてもいい匂いで…….…す、すみません、その、変な意味じゃ。」
「フフッ、慌てる建人を久しぶりに見た。可愛い。」
「可愛いのはあなたです……シャワー浴びますか?」
「うん。」
「お先にどうぞ。」
「ありがと。」
バスルームへ案内して、ふと気づく。
「着替え…なんて持ってる訳ないですよね?」
「突然任務が入ってお泊まりになっても良いように、お泊りセットと下着だけはいつもこの仕事用バッグに入れてるの。だけど、服は無いなぁ、えへ。」
えへ、じゃないですよ。
でも、可愛い………
「お泊りセットとは?」
「クレンジングとか化粧水とか。もう、若くないからね、1日でもサボると肌ガッサガサなのよ。」
「綺麗な肌に見えますが。」
「ありがと。頑張ってお手入れしてるからね。」
「しかし、シャワー浴びてまたその服着るのはいやでしょう?私のじゃ大きすぎますし。」
「パーカーある?」
「ええ、ありますが私用なのでサイズが………」
「それ貸して。私が着たら長すぎてワンピースみたいになると思うから。」
「なるほど、わかりました。」
しばらくして、キッチンでアイスティーの準備をしていると、恋がバスルームから戻ってきた。
「えっ………」
私のダボダボのパーカーを着ている恋。
確かにかなりのオーバーサイズなのでお尻もすっぽり隠れてはいますが………
袖も長すぎでダボダボ………
か、可愛い♡
「変……かな?」
私が黙っているのを訝る。
「へ、変なんかじゃないです!とても可愛いです!」
全力で肯定する。
「そっか!なら良かった。」
私の前を通り過ぎ、ソファへと向かう彼女の後ろ姿を眺める。
白い足が艶かしい。
涎が出そうだ。