• テキストサイズ

流れる 〜呪術廻戦 五条悟※R18〜

第23章 陰る


「…………………」

何も言いたくなかった。

口を開けば嗚咽が漏れるから。

「恋ちゃん?」

心配そうな顔をして私を見上げる悟。

「恋?」

硝子が心配そうにしてる。

深呼吸し、意を決して口を開く。

「マミちゃんが好きなの?」

「違う、すきなのは恋ちゃんだけだよ。マミちゃんはキャバクラの女の子だから、遊びだよ遊び。向こうも僕のこと客としてしか見てないよ。割り切った関係だから大丈夫、安心して恋ちゃん。」


コイツは一体何を言っているのだろう?

「……………」


だめだ、涙が………


「マミちゃんと比べるとやっぱり恋ちゃんは最高だって思えたよ。より一層恋ちゃん愛が深まったよ。」


バカ男、語るに落ちる。


他の女とヤッて確かめないと愛せないって事?


もう、無理だ。


ここから逃げ出したい。



「もし……ウウッ、マミ、ちゃんがっ、ンッ……良かったら私.……わた、ひっ……捨てられた……」


やっぱり、口を開くと同時に嗚咽が漏れた。

涙がとめどなく溢れる。

とにかくこの場を上手く治めてコイツから逃げようと思った。

「恋ちゃん?何言ってるの?」

不思議そうな悟。

「恋、後は私が。」

硝子が悟の前に立った。

「えっ?何だよ?」

戸惑う悟を尻目に廊下へ出た。



走って走って校舎の裏の林の中へ入る。


そこでスマホが鳴った。


建人からの着信だった。

「恋、今どこですか?」

「健人、どう、して?」

「昼間、硝子さんからメッセージが届いていたんですが、任務中だったものでさっき見たんです。今、高専に向かっててもうすぐ着きますが大丈夫ですか?」

「建人、助けて。」

「今、どこです?」

「裏の林。」

「五条さんは?」

「腹立つから逃げて来た。今は硝子が足止めしてくれてる。」

「わかりました。ウチに連れて行きますから、石段のところで待っていて下さい!」

「わかった。」


電話を切り、石段のところへ向かった。


西日が眩しかった。
/ 417ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp