第21章 ●焦がれる●
「ごめんね。」
謝って頭を撫でた。
「う、うん。」
何故かうつむく恋。
コ、コイツまさか……
照れてる?
めちゃくちゃ可愛いじゃん!
優しく抱きしめた。
「お腹しゅいた。」
「はいはい。ご飯持ってきてもらおうね。」
「うん!」
風呂から上がり、浴衣を着た。
「恋、お前って和服似合うんだな。」
「そう?ありがと。」
「色っぽい……またしたくなっちゃった。」
「ちょっと待ってよ。もうすぐご飯来るから。」
その時、中居さんが食事を運んできた。
「美味しそう!いただきまーす。」
「1番いいヤツ頼んどいたんだ。」
「んー、美味しい!さっすが悟!」
美味そうに食ってる恋。
僕はまずお酒から。
「これ美味いな、硝子に買って帰ろうか。」
「うん。建人は何がいいかな?お土産。」
「アイツにも買うの?」
「ダメなの?お世話になったのに。」
お世話って………お前抱きしめただけじゃないか。
「わかった。いいよ。」
「ありがと。建人は何がいいかな?」
「アイツも酒でいいんじゃない?」
「建人はね、最近は甘めのお酒が好きなんだよ。」
「そうなの?」
よく知ってるな。
「じゃあ、後で女将に言ってこの辺の地酒で甘めのヤツ見繕って貰うよ。」
「優しいね、悟は。建人も喜ぶよ。」
「いや、お前の為なんだけどね。」
小さな声で呟いた。
「ん?」
デザートの和菓子を口いっぱいに頬張りながら不思議そうな顔で見つめる恋。
「何でもないよ。それ、美味い?」
「んっ、めひゃくひゃおいひい。」
めちゃくちゃ美味しいって言ってるんだろうな。
可愛い事ばっかりするなよ。
「マジ!?それは食べなきゃな。」
僕も和菓子を食べる。
「美味しいでしょ?」
「美味いね。でも、恋ちゃんの方がもっと美味いよ。」
「バカッ、何言ってんのよ。」
照れてんじゃん。
「これ食ったら恋ちゃん食べたいな。」