第21章 ●焦がれる●
「恋ちゃん、これいつ完全に外してくれるの?」
「温泉で外してあげるね。」
「あと3週間もあるじゃーん!」
「我慢してね。そしたら、ご褒美いっぱいあげるから。ねっ?」
そんな可愛く言われても………
「意地悪。」
「好き。」
「………僕も。頑張るからご褒美いっぱいちょうだい。」
「うんっ、悟大好き。」
「僕も。」
やっぱりこの子には敵わない。
「ふわぁ、眠くなっちゃった。」
「寝る?」
「うん。抱っこして。」
「ハイハイ、おいで。」
さっきまでドSだったのに今は甘えん坊の恋。
そのギャップがたまらない。
腕枕してやると、すぐに寝息を立て始める。
可愛い恋。
それから地獄の3週間が始まった。
「五条さーん、これ以前頼まれてた例の物です。」
地獄が始まり1週間ほど経った頃、任務に行った時に補助監督で着いてきてた伊地知がデパートの紙袋を僕に渡そうとした。
「何?例のものって。」
「もう、嫌ですよ五条さん。とぼけないで下さいよ。ご自分が貸してくれっておっしゃったんじゃないですかぁぁ。」
そう言われても僕には何の事かわからなかった。
とりあえず中に何が入っているのか見てみることにした。
「えっと、何々?和服美人濡れ濡れのお茶会!?、それとこっちは、浴衣美人こぼれるおっぱい!?おい伊地知、お前着物好きなのか?」
そこに入っていたのはエッチなDVDだった。
「五条さん、声が大きいです。私じゃないですよっ、五条さんが和服もの貸してくれって言うから………」
「えっ?僕?」
「そうです。」
そう言えばそんな事言った気が………
「これ全部和服系?」
「そうです。5個全部そうです。私のコレクションから厳選しました。」
コイツはAV収集が趣味なんだ。