第21章 ●焦がれる●
硝子ならやりかねないな。
納得。
「いやいやいや、だからって何で恋がこんなもん使うんだよ。」
こんな物、全力で否定してやる。
俺はM男じゃない!
「硝子が浮気防止にいいって言ってた。」
「そりゃそうだろうよ。勃たないんだから。つーかこれ、トイレどーすんの?」
「先っぽは穴空いてるから大丈夫。空いてないやつもあるんだって。なんならそっちにする?私の許可なくおしっこも出来ないように。」
想像して身震いした。
「それだけはやめてくれ。」
「じゃあ、コッチにする?」
手に持ってる貞操帯を僕に見せつける。
「いや、そういう意味じゃ……」
「これをハメてぇ、そして、鍵かけるの。鍵は私がこうやって首にかけとく。大丈夫よ、ときどきはちゃんと外して洗ってあげるから。」
そう言って鍵付きのネックレスを取り出した。
「洗ってくれるのは嬉しいけど。」
「でしょ?その時に射精もさせてあげるね。あっ、でも射精管理なんだから私が良いって言うまで出しちゃダメよ。」
「お前、何か楽しそうだね。」
「うんっ、楽しい!悟っていじめられると凄く可愛くなるから。」
「いつからそんなドSになったの?」
「誰がこんなにしたの?」
「ぼ、僕?」
「うん。だって悪さばっかりするんだもん。お仕置きしなきゃ。」
「嫌って言ったらどうするの?」
「他の男にコレ着ける。」
「他のってまさか七海?」
「うん。お願いして着けさせてもらう。」
多分、アイツなら断らないんだろうな。
未だにコイツに惚れてんだから。
「わかったよ。つけりゃいいんだろ?」
「わーい!」
結局僕は恋の強い押しに負けた。
自分が蒔いた種だけど。
恋がこんなドSになるなんて。
「これで良しっと。はい、出来た。」
僕の大事なところに金属で出来たカバーを装着された。
これで、射精はおろか勃起すら抑制されることとなった。
恋は小さな南京錠に鍵をかけ、その鍵を自分の首にかけた。
これでもう、自分では外せない。