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流れる 〜呪術廻戦 五条悟※R18〜

第20章 憤る


「恋。」

「恋。」


誰?


誰かが私を呼んでる。


悟?


悟なの?


夢の中、私は悟の声を聞いた。


大好きな声。


何を言われても好きな声。


嫌いになれないから辛い。


悟は私を裏切った。


だけど、嫌いになんてなれなかった。


裏切られても好き。


そう思ったら涙が出た。


一週間、仕事の時以外は泣いてた。


仕事はきちんとこなした。


頑張って気合入れて悟とも普通に接した。


悟だってプロだから仕事にプライベートは持ち込まないはず。


私もちゃんとしなきゃ。


だけど、仕事を離れると悲しみに襲われた。


建人に一人でいるのは良くないと言われ、硝子の部屋に泊まりに行った。


辛くてたまらなかった。


今回はお菓子を作る気力すら湧いてこなかった。


とにかく泣いた。


硝子は時間が許すときは側にいてくれた。


一晩中泣きあかしてからお風呂に入る。
お風呂から上がると腫れた目を冷やす。


そしてまた何事もなかったかのように高専へ出勤する。


そんな中、建人は毎日会いにきてくれた。


ああ、何でこの人はこんなにも優しいんだろう。


私は、ひどい女なのに。


結局、この人に甘えてしまうんだ。



6日目の夜、バルコニーで星を眺めていると後ろから抱きしめられた。

そして、言われる。

「私じゃだめですか?」


底無し沼に飲み込まれた私に差し伸べられる救いの手。

その手を掴みたい自分もいる。

だけど、もう遅い。

いくらその手をつかもうと、いくら引っ張ってもらおうと、もう抜け出せない。


私はもうどっぷり浸かってしまっている。



五条悟という最強の男に。



「ごめん、建人。私、悟が死ぬほど好きなの。当分抜け出せそうにない。」


私の大親友はきっと悲しそうな顔をしてるんだろうな。



「わかりました。」

そして更にキツく抱きしめられた。



確か、これが昨夜の出来事………


夢の中かで記憶をたぐり寄せる。


そして今日、アイツに会ったんだ!
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