第19章 掛かる
「悟って呼んで。」
「さとるぅ。」
「可愛いね。」
「私、悟が好き。」
「僕もだよ。」
「ん?うっ、あー、頭いてぇ。」
目が覚めると自分の部屋のベッドに居た。
ひどく頭痛がする。
それに気分が悪い。
ん?
あれ?
恋?
アイツ、こんなに髪長かったけ?
いいや、アイツは最近セミロングからボブにしたはず………
じゃあ、これは誰だ?
俺の隣で背を向けてスヤスヤ眠る女。
確か昨日はみゆゆと飲んでて………
そこであの画像の事を思い出した。
「そうだ、七海と……」
そこで、女が目を覚ました。
「うぅん……あれ?悟起きてたの?」
悟?
そういえば悟って呼んでくれって言ったような……
ダメだ、いまいち思い出せない。
あの画像を見て、その後わけわかんない感じになってキスしたことしか覚えてない。
うわ、俺からキスしてるし。
ここ、自分の部屋ってことは絶対自分から誘ってるよな。
「悟?大丈夫ぅ?」
裸のみゆゆが大きなおっぱいを揺らしながら起き上がった。
「う、うん。大きいね、おっぱい。」
おい、何言ってんだ!
自分で自分が嫌になる。
「悟ったらおっぱいで遊んでばっかりだったよぉ。」
「そ、そうなの?」
いかん、何やってんだ。
「ちょっと顔洗ってくるね。」
床に落ちてるパンツとTシャツを拾い、洗面所へ向かった。
「何やってんだ、浮気してんじゃねぇよ。」
顔を洗い、鏡の中の自分に問いかける。
「いや、でもみゆゆも誘ってる感じあったしなぁ……でも、恋だって七海と……ヤッてるんだし。」
また顔を洗う。
「うん、そうだよ。向こうの方が先にヤッたんだ。」
結局、自分を肯定した。
「さとるぅ、怖い女から電話だよぉ。」
みゆゆが大声で呼んだ。
怖い女?まさか!?
「お前、何やってんだよ!?」
慌ててベッドへ戻った。
すると、みゆゆが僕のスマホを持っていた。
奪い取り、一度深呼吸してからスマホを耳に当てる。