第18章 ●嵌める●
これ、昔より怖ない?
「ちょっと、恋ちゃん怖いねんけど。女がそんなに偉そうにしたらあかんよ。男を立てられへん女は背中刺されて死んだらええ。」
「ハァ?このクソ男!女を蔑むような男は金玉潰されて死んだらいい。」
「それは嫌な死に方やなぁ。」
「恋、落ち着いてください。」
七海くんが恋ちゃんの肩に手を置いた。
すると、恋ちゃんの様子が一変に変わった。
「わかった。ごめん。」
何や、今のは。
七海くんの言うことやったら聞くんかいな。
「七海の言うことは素直に聞くんだ。何か凹む。」
悟くんも同じ反応やった。
「うるさい!バカ白髪!」
悟くんにまであだ名つけてもうた。
しかもまた絶妙なあだ名やわぁ。
「ククッ」
思わず笑ってしまった。
「何がおかしい?クズのつり目金髪!」
クズまでついてしもた。
「恋。」
そこでまた七海くんが優しい声をかける。
「ごめん。」
急にしおらしなる恋ちゃん。
「要するに、五条さんはこちらのお二人に騙されて浮気したと?」
何や知らんけど場を回し始めた七海くん。
「ああ、そういうこと。気付くのが遅かった。」
悟くんがため息混じりに言った。
「でもさすが悟くんやわ。俺らは上手くいく、おもてたしなぁ?みゆゆ、悪いけどボーナスはなしや。」
「わかってます。申し訳ございませんでした。」
「最悪。」
恋ちゃんがまたキレ気味に言った。
「恋さま。私は五条さんをハニートラップにかけただけで、その、好きだとか付き合いたいとかそういった感情は無いんです。ご安心を。」
みゆゆはしっかり頭を下げて謝った。
これも演技やったりして。