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流れる 〜呪術廻戦 五条悟※R18〜

第2章 ●忘れる●


「建人に…バレたかな。」

そんな心配をしつつ、シャワーを浴びた。
和くんの匂いを消すために。

お風呂から上がり、私服を着た。
もちろん、なるべく肌を見せないようブラウスのボタンは上まで留めた。


「お待たせ、建人。、」

客間の座敷に行くと健人は正座してお茶を啜っていた。

「…その服、よくお似合いです。」

建人は落ち着いた様子だ。


バレてないかな?


「あ、ありがと。あっ、そうだ!美味しい和菓子頂いたの。持ってくるから待ってて。」 

くるっと回って部屋を出ようとしたその時だった。

「後ろ…ついてます。キス…マーク。」

「えっ?う、うそ?どこ?」

「首のところ。」

「見えない、どうしよ。」

「和之進さんですか?それつけたの。」

「…」

「そうですか。わかりました。絆創膏持ってきて下さい。貼ってあげます。」

「ありがと、建人。」


建人に絆創膏を貼ってもらう。
まさかこんな所にまでつけられているとは思わなかった。

「大丈夫ですか?」

絆創膏を貼りながら建人が聞く。

「…どうして?」

建人には全て見透かされている様な気がした。

「震えているから。」

自分でも気づかない内に涙がこぼれた。

「建人…わた、し。」

「いいんです。何も言わなくて。」

そう言うと建人が後ろから抱きしめてくれた。


私はまた建人の前で泣きわめいた。


そしてその日を境に和くんが壊れた。


毎日深夜になるまで家に帰らず、帰ったと思えば酷く酔っ払っている。
使用人の話では女性関係もすごく派手になっているらしかった。


「和くん、一体どうしちゃったの?」

「恋、ごめん。許してくれよぉ。ごめんよぉ。」

和くんはあれ以来ずっと謝ってばっかりだった。
私はもう何も言う気にならないほど呆れていた。
私の好きな和くんはもう、そこには居なかった。


「だからさぁ、和くんおかしくなっちゃったのよ。」

「そうですか。恋、あなたは何もされてないですか?」

「大丈夫よ、建人。何もされてないから。」

最近、建人はよく電話をかけて来るようになった。
和くんの事でストレスが溜まっているから、建人に話を聞いて貰えるだけで心が軽くなった。
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