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流れる 〜呪術廻戦 五条悟※R18〜

第17章 嘲る


「何?」

「恋ちゃん、さっきの人?」

「こら、学校では先生って呼べって言ったでしょ。」

この子はどうも少しチャラいところがあって困ってる。

「あーはいはい。あの人がさっき五条先生が言ってた、恋先生がヤッてる人?」

「うるさい。もうっ、さっさとテスト解きなさい!」

追試も無事終わり、保健室へ向かう。

「あれ?硝子は?」

中に入り、ベッドへ腰掛ける。

「家入さんは処置室です。飲みますか?」

建人が手に持ったマグカップを見せて言った。

「うん、飲む。」

建人がコーヒーを入れてくれる。


「ブラックでいいですよね?」

「うん。ありがと。」

コーヒーをひと口飲んで、顔を上げると建人が話し始める。

「先程家入さんから聞きました。五条さんの事。」

「そう……私と建人が何かあるわけないじゃんねぇ。」

「…………ええ。」


何?


今の間は。



気を取り直して聞く。

「斎藤の事聞いた?」 

「聞きました。五条さんは一体何を考えているのでしょうか。何なら私から話してみましょうか?」

「そんなぁ、これ以上建人に迷惑かけられない。それに建人が行けば、悟が逆上しそう。」

「そうですか。そうですね、あの人は大人気ないですから。」

「でしょ?子供のまま大きくなったみたいな人だから。実はさっき、斎藤と二人で私のところに来たの。」

「それで?」

「七海とはいつからヤッてんの?って聞かれたから、ヤッてないって言ったけど信じてもらえなくて終わりだって言われた。」

そこでようやく涙が溢れた。


あ、泣くの久しぶりだ。


「恋、かわいそうに。先ほど倒れていたのはそのせいですね。」

気づくと建人が私の前に来て涙を指で拭ってくれていた。

「ありがと。ごめんね、いつもいつも迷惑かけて。」

わざと笑顔を作る。 


子供の頃から何度この人の前で泣いただろう。


その度に慰めてくれた。


もういい大人なのに。


私、何やってるんだろう。
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