第17章 嘲る
「何だか…気持ち悪い。」
悟が他の女と交わってる姿を見て吐き気がした。
私のお気に入りの枕を他の女が使ってる。
「私もよ。何でこんなの見せられなきゃならないの?斎藤のヤツ!」
「ごめん、硝子。巻き込んじゃって。」
「恋が謝る事ないでしょ。悪いのはあの2人なんだから。」
「そうだけど。」
「とりあえずコーヒーでも飲んで落ち着こう。」
硝子が入れてくれたコーヒーを飲みながら気持ちを落ち着ける。
「ハァ、今日授業あるし行かなきゃ。会いたくないなぁ。」
「何言ってるの?会って問いたださないと。そもそも泣いてたから慰めたって何?何で泣いてたの?そこも意味わかんないでしょ?何なら私が聞いてもいいけど。」
硝子は自分の事のように怒ってる。
「そうだね。聞いてみる。」
スマホを出して悟にかける。
しばらく呼び出し音が鳴った後、
「もしもしぃ?」
斎藤が出た。
「悟だして。」
短く言った。
今この女と話したくない。
「さとるぅ、怖い女から電話だよぉ。」
朝から嫌な声聞いたな。
「お前、何やってんだよ!?」
悟の慌てる声が聞こえた。
「もしもし恋?どうした?」
「そこどこ?」
「えっ?えっと、ここは、どこだ?さあ?どこだろうな。任務が長引いちゃってさぁ。」
見え見えの嘘。
「えー、さとるひどぉい。自分ちに連れ込んだくせにぃ。」
斎藤の声が聞こえる。
「ふーん。連れ込んだんだ。」
「あっ、いや、その、これは………恋、お前が悪いんだよ。」
あたふたしていた悟の声が急に変わった。
「私?」
「ああ。お前、七海とヤッてるだろ。」
その言葉に耳を疑う。
「何言ってんの?」
「とぼけんのか?」
「とぼけてなんかない。自分のこと棚に上げて何言ってんのよ!」
「ねぇねぇ、さぁとぉるぅ?、ねえってばぁ。」
また斎藤の声。
気持ち悪い。
電話を切った。