第17章 嘲る
すぐさま硝子の所へ駆け込む。
「ちょっと聞いてよ!」
硝子は部屋で1人酒を嗜んでいた。
「どうしたの?そんなに急いで。」
「ハァ、ハァ、あのさ、さっき悟に電話したんだけど……アイツいま、あの斎藤といっしょにいるみたい。」
「やっぱり。あの女は要注意だと思ったんだ。」
「どこかで飲んでるみたい。電話越しにあの嫌な声が聞こえてきた。ごじょぉさぁんって。その声が聞こえたら悟がいきなり電話切った。」
「今日、七海と会ってたんでしょ?」
「うん。さっき別れたとこ。実は建人が術師に戻るんだって。それを悟に教えたくて電話したのに。」
「へぇ、七海がね。それより、七海と会うのが気に入らないのかもよ?五条は。それで当てつけで斎藤と飲んでるのかも。」
「そんなこと今までなかったのに…」
その夜は硝子の部屋のソファで眠った。
ブーブーブー
朝、スマホの音で目が覚めた。
「うーん。まだ5時?誰だろ?」
画面を見るとメッセージが入っていた。
開いてみると、斎藤からだった。
寝ぼけた頭で内容を見る。
悟、泣いてたから慰めてあげました。
その文章の下に、画像が送られてきていた。
「う……そで……しょ?」
寝ぼけた頭をフル回転させる。
落ち着いた状態でもう一度見る。
その画像はおそらく自撮りした写真。
男と女が裸でベッドの上にいて、男が女の胸元にキスしているものだった。
そして、それは五条悟と斎藤美由だった。
「な、にコレ。」
飛び起きて、硝子の寝室へ向かう。
すると、硝子の方からドアを開けて部屋から出てきた。
「硝子!大変。」
「恋!まさかアンタのところにも?」
「えっ?」
2人でスマホを見せ合う。
2人とも同じ画像だった。
ただ、文章は違っていた。
硝子の方には、
悟は私のものです。龍さんにお伝えください。
だった。
「これ、悟の家だ。」
その写真に少しだけ写っているベッドの縁に見覚えがある。
シーツにも布団にも。
女の頭の下には私が持っていった枕が写ってる。
「マジ?アイツ本当にクズだ。」