第17章 嘲る
「君本当に子供?まぁ、いいや。お父さんのこと知りたくなったらいつでも聞いて。そこそこ面白いと思うよ。」
コイツ、全然懲りてない。
「いい加減にしないと今度は違うとこ蹴るわよ。」
悟の背後でささやく。
「そんなに怒んなくてもいいじゃん。まあ、怒った恋も悪くはないけど。」
「うるさい。」
一蹴する。
「そんじゃ本題、君はどうしたい?禪院家行きたい?」
悟が恵に聞いた。
「津美紀はどうなる?そこに行けば津美紀は幸せになれるのか?それ次第だ。」
義姉の事を心配している恵。
「ない。、100%ない。それは断言できる。」
悟をキッと睨みつける恵。
「オッケー、あとは任せなさい。でも、恵には多少無理してもらうかも。頑張ってね。強くなってよね。僕に置いていかれないくらい。」
こうして、恵達は高専の寮に住むことになった。
資金は高専と、悟個人からも出した。
悟は、当時まだ幼かったこの子を強い呪術師に育てることに決めた。
恵は可愛い。
今日は高専生の授業は休みだから悟が恵に稽古をつけている。
「はい、おやつだよ。津美紀と一緒に作ったの。」
おやつは手作りドーナツ。
「ありがとう、恋ちゃん。」
「召し上がれ。」
恵が美味しそうにおやつを食べる姿を眺めていると、後ろから殺気を感じた。
「さ、とる?何やってんの?アンタも食べなさいよ。」
恨めしそうに睨む悟。
「だって。恋ちゃん、僕にはくれないんだもぉん。恵ばっかりぃぃぃ。」
「またすねてる。」
恵が言った。
「うるさい!」
小学生相手に本気で怒る悟。
「子供に怒鳴るな!」
「怒った恋も可愛いよ。」
すぐこうなる。
「もういいから早く食べて。」
「はーい!」
「ちょっと、それ俺のドーナツ。何で取るんだよっ!」
悟が恵のドーナツを奪って食べてる。
もう、お子様なんだから。
「ちょっと、悟!恵の分取らないで!」
「えーっ、だってお腹すいたんだもーん。」
すねる悟。