第16章 ●落ちる(夢主ちゃんの場合)●
「へっ?あ、あの、その。」
悟の前ではタジタジの男。
「コイツ僕の女。手出したら殺すよ。」
「す、すみませんでしたー!」
男は深々と頭を下げて逃げていった。
身長が190以上あって、白い髪にグラサンに青い目で。イケメンの悟を前にしたら大抵の男はビビりそう。
「大丈夫?恋。」
「うん。ありがと」
「危なっかしくて1人にしておけないね。」
「じゃあ、ずっと守って。」
「可愛いこと言うなよ。勃っちゃうじゃん。」
「ハァ?街中でなんて事言ってんのよ。」
軽くキレる、私。
「ちょっとイイとこ行こう。」
そう言うと私の手をギュッと握り足早に歩き始める悟。
しばらく無言で歩き続けてようやく止まった。
「今日はここ泊まろーよ。」
ここって……まさか……あの……
「高級ホテルじゃん!?」
有名な高級ホテルの前にいた。
「この前、予約してたとこだよ。」
ほんの一瞬、夏油の顔がチラつく。
だけど、それだけのこと。
「いいでしょ?ここ、1番高いお部屋。」
高級ホテルのスイートルームに通された。
「何で?いきなりきたのに?」
「今日買い物行くって決まった時に押さえといたの。」
「さすが!」
部屋の中を色々見て回る。
「うわぁ、すごーい!ジャグジーだ。」
「ベッドもおっきいし。」
「窓からの眺めも最高!」
「気に入った?」
「うんっ。夢見たい。」
ふっかふかのベッドの上でゴロゴロしてると、悟が横に来た。
「お風呂入ってからね。」
そっけなく言う。
「お風呂?シャワーじゃダメなの?」
「今日、あの子達のために張り切って買い物してたら肩凝っちゃって。ゆっくりお風呂入りたいな。」
「ババくさ。」
「ババくさくて悪かったわね。じゃあね!お湯溜めてこようっと。」
「ごめん!待ってよ。ねっ、許して、お願い。」
お風呂の準備をしていたら、後ろから悟に抱きつかれた。
「ちょっと待って。」
「ヤダ。」
「待てないの?」
「うん。」
そう言うと後ろから私をのTシャツを捲り上げ、脱がせた。