第15章 ●落ちる●
「何を言う通りにするの?」
不思議そうな顔の恋。
「あのね、強い奴は1人だけじゃダメなんだよ。」
「うん。私ももっと強くなる。」
「そうだね。だけど、2人でもダメ。多い方がいいに決まってる。だから、これからは強い奴を育てる事にする。その為には、だれからも好かれる男にならなきゃね。」
「これ以上モテてどうすんの?」
真顔の恋。
「女の話じゃなくて、後輩の話。僕は、僕と同じくらいかそれ以上に強いやつを育てることに決めた。」
「僕?どうしちゃったの?いきなり。」
「傑に言われたんだ。私か、せめて僕にしろってね。そうしないと後輩から怖がられるからって。」
「見た目はあんまり変えられないけど、話し方とかは極力変えるね。それでも僕のこと好きでいてくれる?」
「うん。どんなになっても悟が好き。」
「僕も。あっ、大事なこと言うの忘れてた。僕と付き合ってくれる?」
「喜んで。」
「大事にするよ。」
「ありがと。」
こうして僕たちは晴れて付き合うことになった。