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流れる 〜呪術廻戦 五条悟※R18〜

第2章 ●忘れる●


「わかった。話してくる。」

そう言って病室のドアを開けた。
部屋の中にはベッドに横たわるあの女がいた。

「恋、久しぶり。」

ゆっくりと体を起こすとか細い声で言った。
ずいぶん痩せている。
顔色もすごく悪い。

「何の…用?」

ぶっきらぼうに聞いた。
本当は話なんてしたくないから。

「…色々、悪かったと思ってるわ。勝手に産んでほったらかしにして。」

昔の威勢のよさは消えており、言葉に覇気はなく弱々しい声だった。

「…いまさら遅い。それに、私が辛かったのはそれじゃない。」

私は込み上げる怒りを抑えた。

「それ…じゃないって?何?」

不思議そうに聞く母。

「和くん…何で?何で和くんと逃げたの?」

泣きながら聞いた。


「若い時から和の事が好きだったの。だけど、ウチのしきたりで結婚は外の人間としなきゃダメだったから…だから、告白する事もなく我慢してた。そしたらストレスで。だから遊んでたの。でも、1年前に和からずっと好きだったって言われて…」

母の言葉に苛立ちを覚えた。

「何よ、それ。じゃあ、父さまと私はどうなるのよ?我慢しなさいよっ!あんた一体いくつだと思ってるの?バカじゃない?」

キレて早口で捲し立てた。

「ごめんなさい、本当にごめんなさい。」

母は泣きながら謝っていた。

「あんたなんか母親じゃない。和くんを返してよっ。」

そう言い残して私は病室を出た。
そこには和くん一人しかいなかった。

「恋!どうだった?」

和くんが私に駆け寄る。
私は泣きながら和くんに抱きついた。
和くんは私を抱きしめてくれた。
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