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流れる 〜呪術廻戦 五条悟※R18〜

第15章 ●落ちる●


目を逸らさずに恋の体を見る。

白い肌に浮かぶ赤いキスマーク。

それが至るところにある。

肩の所には血の滲んだ酷い噛み跡。


「あばら3本やられてる。」

「3本も…腕折った仕返しにやられたって言ってた。」



とにかく、全身がキズとアザだらけになっていた。



「硝子、頼む。」


部屋を出ると、歌姫が駆け寄って来た。


「五条!ごめん、私がついておきながら。」

「いいよ。歌姫のせいじゃない。傑に敵う奴なんてそうそういない。」

「あの子、凄かったんだから!夏油に頭突きして、玉蹴って、寝技で関節キメて腕へし折ってた。」

歌姫が興奮気味に言った。

「そうなんだ。アイツ、強くなっただろ?」

自分のことのように誇らしい。





その後、俺は1人屋上へとやって来た。



しばらくして夜蛾が静かに近づいて来た。


「何故追わなかった?」

「それ……聞きます?」

「……いやいい、悪かった。」

「先生、俺強いよね?」

「ああ、生意気にもな。」

「でも、俺だけ強くても駄目らしいよ。それと、俺が救えるのは他人に救われる準備がある奴だけだ。」



恋は俺の大切な女。


傑は俺の大切な親友。


傑は救えなかった……





「終わったよ。」

硝子が知らせにきた。

「治った?」



「うん。全部綺麗になった。」





1人で部屋に入ると恋はベッドに腰掛けていた。

硝子が持ってきた新しい服を着ている。


「調子どう?」

「だいぶいい。もうどこも痛くない。」


引きつった笑顔。


「おいで。」

恋の前に立ち、両手を広げた。


そして、俺の胸に柔らかな温もりが触れた。



「悟、弱くてごめん。」

か細い声で言った。

「何言ってんの?頭突きして金玉蹴って関節キメた女が。」

「えへ」

「照れんなよ。」 



「夏油、どうなった?」

しばらく間を置いてから恋が言った。

「盤星教乗っ取ったらしい。アイツはバカだね。」

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