第14章 ●逃げる●
すると、歌姫ちゃんが隙を見て術を使おうとした。
だけど、夏油の呪霊が歌姫ちゃんの背後から忍び寄り、あっという間に捕らえられ夏油の側に連れてこられた。
「先輩、少しおとなしくしていて下さい。」
「夏油、アンタって奴は……」
夏油が歌姫ちゃんのうなじめがけて手刀を放った。
「歌姫ちゃんっ!」
「大丈夫。気絶してるだけだから。それより、この腕どうしてくれるんだい?」
右腕をぷらぷらさせている夏油。
「自業自得じゃん。」
「責任は取ってもらうよ。」
「や、やめて!」
呪霊が私を羽交い締めにした。
夏油の本気。
さっきのはただのお遊び。
「美味そうだ。連れて行けないならここでいただいてしまおうか。」
「やめ、て、夏油。」
夏油は私に無理矢理キスをした。
呪霊は気持ち悪い舌で首筋を舐めた。
気持ち悪くて目をギュッとつぶった。
「お前はもう消えなさい。」
呪霊が消え、倒れそうな私を今度は夏油が捕まえた。
「好きだよ。初めて会った時からずっと好きだった。」
そう言って私の制服を破る夏油。
「やだ、やめて!夏油、お願い!」
必死に抵抗する私。
暴れていたら地面に思いっきり叩きつけられた。
「今のであばら折れちゃったかな?おあいこだね。」
蛇は出せない。
彼に取り込まれたくないから。
「綺麗な蛇だね。」
「アァッ!い、たい、やめて!」
夏油が私の肩を思いっきり噛んだ。
ニタっと笑った口元に血がついていた。
「少し、静かにしておいで。」
「ウゥッ……」
私も手刀で気絶させられた。
目を覚ました時には夏油が私の上にまたがって腰を打ちつけていた。
「あぁ、良いよ。恋、いい、あぁ。」
1人雄叫びを上げながら髪を振り乱し、腰を振る夏油。
ここは山奥。
誰にも聞こえない。
「アッ、げ、とう、ヤメ、てぇ。ヒッ、や、めてぇ。」
朦朧とした意識でとにかく許しを請う。
「もう気がついたのかい?流石だねぇ。先輩はまだ眠ってるよ?あぁ、目が覚めたら締まるじゃないか。あぁっ、恋、好きだよ。」
狂ったように腰を打ちつける夏油。
「ヒッ、イヤ、イタッ、イ、お、ねが、いっ、ゆ、るして。」