第14章 ●逃げる●
「あっ、そう言えば。昨日、夏油にも頭撫でられた。」
ふと思い出した事を口にしてしまった。
「それ、どういう事?詳しく説明してくれる?」
怒ってる悟。
「私、灰原見て気が動転してて。建人もボロボロで、もう完全にパニクっちゃって。」
「それで?」
詰問されてる私。
「夏油が頭撫でて落ち着かせてくれた。」
「ふーん。嬉しかった?」
「何言ってんの?後輩が死んでるんだよ?嬉しいわけないでしょ?喧嘩売ってんの?」
キレる私。
「うわっ、ママごめんなさぁい。許してぇ。」
急に擦り寄ってくる悟。
「だからママって呼ぶな!」
悲しかった気持ちがすっかり怒りに変わってて、涙は止まった。
それから更に数日経った。
「あと2日だねぇ。」
悟が嬉しそうにスキップしている。
「何があと2日なの?」
わざととぼけてみる。
「エッチな恋ちゃんを食べる日。」
耳元で囁かれる。
「ちょっとやめてよ。あと2日で禁欲開けるけど、するとは言ってないし。」
「大丈夫!ちゃんとその気にさせるから。」
何が大丈夫なんだろう?
「その気にならなかったらどうするの?」
「ちゃんとムード盛り上がるように色々計画してあるんだよ。」
「ムード?何だかわかんないけど、目立つ事だけはやめてよね。みんなに言いふらすとかさぁ。」
「大丈夫、大丈夫!この最強男、五条悟に任せなさい。」
いや、アンタだから心配なのよ。
「おーい!恋。任務だ。」
先生に呼ばれた。
任務の説明を受ける。
「今回の任務地は〇〇山の廃村だ。歌姫と一緒に行け!」