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流れる 〜呪術廻戦 五条悟※R18〜

第14章 ●逃げる●


「夏油、どう言う事なの?」

「今から灰原のところへ行く。君も行くかい?」

「うん。」



「灰原!どうして?起きてよぉ、灰原!」

ベッドに横たわる灰原。

文字通り死んだように眠ってる。


「恋、灰原は死にました。」

側にいた建人が力なく言った。
彼もボロボロだった。

「建人!あなたは大丈夫なの?早く手当しなきゃ。硝子は?そうだ、灰原も硝子に診てもらえば!」

私は、完全に取り乱した。

「よしよし。落ち着こうか、恋。」

夏油に頭を撫でられる。


何故か落ち着く事が出来た。


「恋、ここに座って下さい。」

建人に言われ、彼の隣に腰掛けた。


「なんてことはない。二級呪霊の討伐任務のハズだったのに。クソッ、アレは1級案件だ。」

建人が呟いた。

「今はとにかく休め、七海。硝子が戻ったら治療してもらえ。任務は悟が引き継いだ。」

夏油が言った。

「もう、あの人1人で良くないですか?」

建人はそう言うと天井を見つめた。



夏油と一緒に建人を部屋まで送った帰り道。


「術師というマラソンゲーム、その果てにあるのが仲間の屍の山だとしたら?」

夏油がまた不気味に呟いた。

「夏油?大丈夫?」

灰原の事がこたえたのかと思った。

「いいや、何でもないよ。おやすみ。」

「おやすみ。」



翌朝、悟が帰ってきた。

「ただいま。」

「お帰り。」

「大丈夫?恋。」

「さとるぅ、灰原が死んじゃったよぉ。」

昨夜の灰原の姿を思い出して辛くなった。

「灰原の仇はちゃんとうってきたから。泣かないで。」

「さとるぅ。」

「おいで。」

少しだけ、悟に甘えた。

頭撫でてくれた。
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