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流れる 〜呪術廻戦 五条悟※R18〜

第13章 ●ハマる(五条の場合)●


次の日、朝早く起きた俺は恋の部屋の前まで行った。

すると、何だかいい匂いがしてきた。

「これ、アップルパイ?」

独り言を言っていると、後ろから声がした。

「せいかーい!」

「硝子」

「恋の事気になる?」

「もちろん。」

「あの子、ストレス溜まるとお菓子作るんだって。」

その話は聞いた事がある。
本家にいた頃も時々作っていたから。

「俺のせい……か?」

「だろうね。」



そしてその日から思い知らされた。

恋は自分からは絶対俺には近づかないし、話しかけてもこない。
俺が話しかけてもそっけなく、ほとんど話してくれなかった。

そして何故か傑とは親しげに話す。
休みの日には2人で出かけたりもしている。

俺はこっそり後をつけた。


結局、バレて恋に睨まれた。


だけど、俺は常に恋の近くにいるようにした。

終いには硝子にストーカー呼ばわりまでされる始末。


それでも、恋への想いは変わらなかった。


俺は決めた。


恋が許してくれるまで待つと。


そんな日々が3ヶ月ほど続いたある日、俺と恋2人での任務の指令が入った。

「五条、任務に私情は挟まないから。」

行きの車の中で恋に言われた。

あれ以来、俺のことを五条と呼ぶ。

「わかってるよ。俺も私情は挟まない。」


嘘だ。


挟みまくってやる。


恋を守るために。




「恋、強くなったね。」

前よりも随分強くなった恋。

俺の助けがなくても1人で呪霊を祓えた。

「ありがと。五条。」

ニコッと笑う恋。


左肩が出てる。


露出ヤバい、我慢できなくなる。




帰りの車の中で何気なく手を下ろすと、恋の手に触れた。

久しぶりの感触にたまらず手を握ってしまった。

本当は顔を見たかったけど、恥ずかしくて窓の外の景色を見るフリをした。

そしたら、恋の手にギュッと力が入った。

俺も少しだけ力を入れた。


ドキドキした。


こんな感覚は久しぶりだ。


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