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鬼殺の謳(仮)

第1章 第一章


胸の飾りを触っていた手はスルスルと少年の肌の上を滑り、袴の中へと侵入しては熱く猛る部分にそっと触れる。

「ヒッ…アッ‥⁉︎」

 身体の中で1番快楽に敏感なところを触れられては我慢していた声も漏れてしまう。その反応を見てか、男は優しく触れていたのをきつく握り緩急をつけながら上下させる。
 男の手が次第に濡れると男の表情は恍惚とし、その濡れた手で少年の蕾に指を入れた。
 最初こそ念入りにしてやろうと考えていたがあまりに妖艶な少年の姿に痺れをきらし、まだ広がりきっていない小さな蕾に男は自身の熱を捻じ込んだ。

「ア"ァッ!?」

 突然の衝撃に、少年の視界がチカチカと光が飛ぶ。痛い、無理矢理ねじ込まれて感じるのは、快楽ではなく痛み。しかし男はそんなことはお構いなしに腰を振り続ける。水のせせらぎにいやらしく腰を打ちつける音が加わる。よっぽど少年の具合が良いのか男は獣のように腰を振り、少年の中に自分の欲望を吐き出した。
 ずるりと男は熱を引き出し満足そうに顔を伝う汗を袖で拭いた。そしてさっさと袴を履くと笠を被り、転がった錫杖を拾った。

「お前は上玉だな。良いお代をありがとよ」

 先程の優しさはカケラもない。ぐったりと地面に倒れ込む少年に言葉を投げかけて立ち去ってしまった。

 乱暴に扱われてしまった少年の蕾は傷つき、白い液体と混じって出血している。
 身なりを整えられる体力はもうない。男に犯された口内をすすぎたくても水を口に含む気力もない。力なく、だらりと地面に倒れることしかできない。

 金を得るために身体を開くときとは大違いだった。自分の意思があって身体を開く時は何も思わない。目的があって、行為が終われば目的を達成できる。
 しかし、乱暴に身体を開かれることがここまで恐怖心を煽り、抵抗ができないこととは思わなかった。
 自ら身体を開く時は感じなかった悲しさや虚しさが今はどっと押し寄せてくる。
 動くことができない少年の目からぱたぱたと涙が流れる。
 
 そんな少年の様子を、背の高い木の枝に立ち眺める者がいた。
 体力を失い、気を失ったことにより少年から力が抜け、さらにだらりと地面に伏す。それを見てか、傍観していた人物は物音1つ立てず地面に着地し、数秒じっと少年を見つめたあと、乱れた衣服を整え、少年の体をそっと抱き上げて、音もなくその場から消えてしまった。
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