第4章 急接近
その後、男の湯殿の前まで案内し、あとは勝手に部屋に戻るように伝え、あかねも湯を浴びた。
(はぁー…温まる…
朝風呂もいいよねぇ…)
ゆっくり浸かっていると、
「あかね?」
木々が入ってきた。
「木々?あれ、朝から鍛錬?お疲れ様」
「あかねも、朝弱いのに珍しいね」
「んー、昨日あの男の案内で夜遅くなって。
朝浴びようって思ってとりあえず寝たの」
「なるほどね」
木々と並んで湯に浸かる。
「どう?オビは」
「んー…まだなんとも。
ゼンも、なんで私に任せるのかなぁ…」
口元まで湯に漬かり、不満を漏らすあかねに
「あかねの判断なら間違いないってことだよ」
と木々が答えた。
「それ、ゼンも言ってたけどさ…
プレッシャーじゃない?」
「あかねなら大丈夫だよ」
木々はそう言って湯から出た。
「もう出るの?」
「うん。
もうすぐご飯の時間だしさ」
「あ、ほんとだ。」
そういい、あかねも湯を出て部屋へ戻った。