第4章 急接近
コンコンッ…
「失礼します」
「おぉ、あかねか」
ゼンの執務室に入ると、ゼンは机に向かって書類を読んでいた。
部屋には木々もいて、終わった書類の片付けをしていた。
「あれ、お前、オビは?」
「ん?ギリギリまで牢屋にいてもらおうと思って、今ご飯運んできたところ。」
「お前なぁ…まぁいい。
部屋はお前の部屋の隣だから、後で案内してやれ」
「ねぇ…本当にわたしが監視するの?」
「なんだ、不満か?」
「うん。」
「即答か…
まだあいつは信用していない。
人を見る目に長けてるお前に任せるのが適任だと判断したまでだ。
よろしく頼むよ」
「信用出来ないと判断した時は…?」
「その時は…まぁ、その時だな」
ははは、と笑うゼンに、あかねはこっそりため息をついた。
「あかね、そんなにあの男が嫌いなの?」
木々が書類を片付ける手をとめず、あかねに聞いてきた。
「んー…なんか、ちょっとね。」
「そう…困ったら相談して」
「そうする。
ありがとう、木々」
(嫌いかって言われると、どうなんだろう…
まぁ、手は早いよね…
あ、思い出したらイライラしてきた…
距離取りながらじゃないと危ない気がする)
あかねは1人自問自答したのだった。