第3章 刺客
「…妙なところで
自尊心の高いお方だ」
カッ…
「同感だな」
「あ!?」
「殿下!」
ザッと姿勢を正すハルカ侯。
「俺の為と…
そう言ったか
ハルカ侯?」
ゼンはハルカ侯をまっすぐ見て言う。
「........
申し上げた通りです。」
「手段を間違えたな。
成り行き次第で
城中の騒ぎになるところだったぞ」
「........はっ」
「ーーゼン…
ずっと聞いてた?」
「侯爵を見つけたら
お前と話し始めたからな
出て行きそうになるのを
全力で我慢したんだぞ
盗み聞きくらい許せ」
「見事な返答だね........」
「娘!
殿下の名を呼び捨てにするとは
何事だ!」
ハルカ侯は横にいる白雪をギロっと睨んだ。
「........
あのな、ハルカ侯…」
この状況まで…とため息をつくゼンは、
「俺は、な
権威や地位を何より重んじる者が
周りにいるのも
悪くないと思っている
多様な考えがあるのを
知るのもいい」
(ゼン........)
「................ハルカ侯
貴公にとって
爵位は重要か?」
ゼンは頭を書きながら問う。
「はい」
「ならば
せいぜい大事にされよ
2度目はない」
ゼンはハルカ侯を真っ直ぐ見据えて言った。
「ーーーー…はっ」
ハルカ侯はゼンに頭を下げ、去っていった。