第3章 刺客
その少し前ー…
(白雪…いたっ!)
あかねは、木を伝って探し回り、ようやく白雪を見つけた。
近くの木から見ていると、そこに
「え…ハルカ侯…?」
ハルカ侯が近寄ってきた。
「…っ!」
そして、少し話をした後、ハルカ侯が白雪に剣を向けたのだ。
(どうしよう…出ていくべきか…
でも、ゼンが見守れって…)
あかねが対応を悩んでいると、
ザッ…
「よーう、お嬢さん」
後ろにあの男が来た。
今度は、あかねの首にクナイをかざしている。
「…あら、さっき矢を射ってくれたのは
あなたよね?
何、わたしに倒されに来たの?」
「おいおい、この状況でも強気かよ…
修羅場慣れしてるね」
「ふざけないで。
........まさか、あなたの雇い主って…」
「おっと」
男はクナイの先をあかねの首に突き立てた。
あと数mmで刺さるところ…
「その名は口にしない方がいいんじゃないのかい?」
「........」
すると、下から短剣が飛んできた。
「!?」
男は驚いてあかねから離れるが、その時に首に数cmの傷ができ、あかねの首から赤い血が垂れた。
「あ…」
「あ、ミツヒデ!木々!」
どうやら、木々が男に向かって短剣を投げたようだった。
男は、正面で短剣を構えるあかね、
そして下から狙うミツヒデと木々の存在を知り
「こりゃ、降参だね」
と言って、城の廊下に飛び移り、座った。