第3章 刺客
そして、ハルカ侯は白雪の前に立ち、剣を抜いた
「侵入者を見つけた以上、
この場より奥へは
行かせられん
即刻
立ち去って貰おうか」
「........っ!」
「外部の人間を城に招くなど
権力なくしてはできぬこと
それほどの方に招かれるような身分が
君にあるようには
見えんのでね」
(この人は確認を持って言ってる)
“白雪の
入城は二度とないものとする”
「........じゃあ
あなたの言うように
私がここにいてはいけないのなら
その剣で切り払って
止めればいい」
白雪は、真っ直ぐにハルカ侯を見た。
「ーーー........!!」
ハルカ侯は、怯えて帰ると思っていたが、予想外の返答に驚いた。
(本人には聞かなかったけど、
会えば充分だった
あれはゼンの言葉じゃない)
コツ…
コツ…
コツ…
「........おい、
退け娘!!
斬るぞ!!」
「お好きに」
ハルカ侯は、このとき初めて
ゼンの言葉の意味を知ったー…
“遊びで言ってるわけではないぞ
ハルカ侯”
「........」
チャキ…
キン…
ハルカ侯の横を通り過ぎる白雪
ハルカ侯は、剣を鞘に収めた。