第3章 刺客
「あかねさん!
わたし、行きます!!」
「ちょつ…白雪!?」
白雪はそのまま走り出し、あかねも後を追った。
「あらっ!?
奥に進んだ!?」
おいおい…と、望遠鏡で様子を見ていた男は苦笑いした。
「あのお嬢さんもこんなに離れてるのにこっちに気づいたみたいだし…
嘘だろ、あの二人…
それに、今ので逃げ出さないのかい?」
男はより近くに行くため、木を伝って城に近づいた。
そこには、廊下を1人で走る白雪がいた。
スタッ…
「?
随分遠回りしてるな…
それに、1人いない…。
まぁ
好都合ってことで」
男は、クナイをかまえ、
「早く帰んな
お嬢さん」
投げようとした直後ー…
「白雪!?」
「げっ!?」
ビタッ…
男は動きを止めざるを得なかった。
「ゼン!」
ゼンが走って白雪に駆け寄ってきた。
「お前、帰ったんじゃなかったのか?」
「あ、あー…
本を1冊忘れちゃって…」
ガサッ…
「!?」
(何か気配が動いたな........)