第1章 出会い
「........ッ」
ゼンと白雪は、お互い驚きすぎたあまり声が出ない。
ゼンは、驚きと手首の痛さからだが…
そんなゼンに急いで駆け寄るミツヒデは
「おい!
大丈夫かゼン!?
手首捻った!?
頭打ってないか!?
1+1は!?」
とまくし立てるように聞き
「2
あれっお前誰だっけ?」
ゼンはミツヒデの顔を見て真剣な顔をして答えた。
「!!
ミツヒデだよ!」
「あぁ!
そんな名前だったんだ」
「ねーっ。
わたし忘れちゃってたわ」
木々とあかねも、そんなゼンの悪ふざけに乗るように答えた。
「なんだよ!木々とあかねまで!
傷つくなー」
ミツヒデか2人に向かって言っていると
「ーーで。」
ゼンは立ち上がり、見知らぬ人間の方を向き直した。
「お前はほんとに誰?」
ギクッー…
白雪は剣を持つ男を前に、背筋が凍った。
「こんな森の奥で一体何を?」
ゼンが問うと
「いや私は……
家出中の身で
ただ一通りのない道をーーー」
そう答える人間が被っていた深いフードを
ゼンは剣の先で開けたー…