第1章 出会い
朝ー…
鳥のさえずる声が聞こえる。
「やっぱ馬小屋もあるといいなーこの家
なにか起きても馬がいればすぐ動けるし」
ミツヒデは歩きながら呟く。
「好きに造れば?
脇に街道があるこの森じゃあ
入ってくる人間すら見かけないけどな」
ゼンはミツヒデ、木々とともに歩きながら答える。
しばらく歩くと、1件の家にたどり着く。
「おーい!ゼン!!」
近くの木の上から、女の声が聞こえた。
「「あ、あかね?!」」
ゼンとミツヒデは声の方を向き、驚いた。
「あかね。
一晩別行動するなんて聞いてないよ。
どこ行ってたの?」
木々はあかねに向かって問う。
「よっ…と。」
あかねは木から飛び降り、ゼン達の元へ行く。
「ちょっと、気になることがあってね。」
肩につくくらいの綺麗な銀髪をふわりと風になびかせながら
あかねはゼン達と合流した。
「まったくー…本当に自由だな。
どこに行ってたんだ?
っと」
ゼンはあかねに聞きながら、高い塀を悠々と飛び越えるー…
塀の下には、見知らぬ人間が座っていた
「?!」
その事に気を取られ
「でっ!!」
ドカーっと倒れ込んだ。
「ゼン?!」
ミツヒデが、塀の切れ目から顔を出した。