第3章 刺客
サァー…
風が吹き、木の葉があかねの体に当たる…
バッ!!
「!?」
男はあかねの方へ振り向いた。
そのままあかねは距離を取ろうと木から降りると、男もそのまま降り、あかねの両手を取り、壁に追い詰めた。
「いたっ…」
「形勢逆転…だね?お嬢さん」
いわゆる壁ドン。
「ちっ…」
「こらこら、女の子が舌打ちなんてダメでしょうよ。」
「うるさい。
手を離して」
「強気だねぇ」
男はあかねをじっと見つめた。
あかねは気まづくなり視線を外す…
男はあかねの顔に近づき…
ちゅっ…
頬にキスをした。
「…はぁ!?」
あかねは男にキスされたことに気づき、男の方を向くと、両手は頭の上で束ねたままあかねの顎を片手で掴み…
「んっ…!」
ちゅ…くちゅ…
男は今度は唇にキスをした。
抵抗するも、両手を男に束ねられ、顔を固定されているため、意味をなさなかった。
ちゅ…
リップ音の後に、男は顔を離した。
「ごちそうさま。」
「な、なっ…」
男はそう言うと、手を離してどこかへ行ってしまった。
残されたあかねは
「なんなのよ!!あの男!!!」
1人腰が抜けて座り込みながら、叫んだ。