第3章 刺客
ハルカ侯は、人気のない廊下で立ち止まり…
「全くあのお方は…
あれでは何を言っても無駄だな
やはり
娘の方に頼む他ないようだ」
「了解」
そばの木にいた男の返事を聞くと、ハルカ侯は廊下を歩いていってしまった。
「娘が帰ったのも確認したしーー…
とりかかるとしますか」
男が木を伝って移動しようとするとー…
「あら、何をするの?」
「!?」
あかねは気配を消して男に近づき、動こうとする男の背後に立ち、首元に短剣を当てた。
「おや、随分と美人なお方で。
いかがいたしましたか?」
男は顔だけ振り返りあかねの顔を見て言った。
「ふざけないでね。
ハルカ侯と何話していたのか
教えてくださる?」
「いやいや、何も…ただの世間話ですよ」
ふざけたように笑って話す男。
「ふぅん…そうは思えないけどね。
ゼンや白雪に手を出すつもりなら許さないよ?」
「許さないって?
お姉さんが俺の相手をしてくれるのかい?」
「お望みでしたら」
「ふぅん…」
「........」