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赤い瞳のわたしと【赤髪の白雪姫】

第3章 刺客







ゼンと白雪は部屋を移り、ソファに並んで座った。


「わざわざ悪かったな、白雪」


「謝るの?私に?」


「................
木々とミツヒデとあかねにも
…後から言う」


「そういえば、あかねさんは?」


「あぁ
そういえばいないな、あいつ」


「そういえばって…
なにか別のお仕事なのかな」


「さぁな。
あいつは俺以上に視野が広いから
気になることがあったらすぐにどこかへ行ってる。
そして事後報告さ」


「あ、たしかにゼンと初めて会った時も
あかねさんは後から来たって言ってたね」




「ーー…城

................空けてばかりいるとさ


俺はいずれ

名ばかりの王子になるそうだ」



「それで
執務漬けになってるんだ?」


「いつの倍はこなしてるぞ

次の外出で
文句は言わせん」


「ははあ........」


「机仕事も嫌いじゃないんだ

…ただ

外のことは
すぐ分からなくなるからな


国はー…

クラリネスは
城の外に広がってる

俺は
それが好きなんだ」


嬉しそうに語るゼンの顔は、
一国の王子の表情だった。


「ゼンのいる国っていいね!」


「ふーん…」


グラッ…

「うぉ........

眠い、寝る

ミツヒデの奴が呼びに来るまで
ここに居られるか…?」


「うん
手持ちの本読んでるよ」


「そっか…

zzz…」


(わ、早いな…)



(ーーゼンは

この国で王子として生きながら

いつも闘ってる人なんだ



私の目標は
宮廷薬剤師…)

「よしっ!」


(私も気合いを入れないと…)




ミツヒデが部屋に迎えに来ると

そこには先程のゼンのように一心に本を読む白雪がいて

(なんか入れ替わってる…)

と思ったのであった。






「へーえ

あの赤髪の子が…

ゼン王子のご友人…

ね」


木の上から2人を見つめる影がいた…。


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