第2章 お出かけ
「調べた限りだと
あの人に
賊とかの繋がりは
なさそうだね」
「あぁ。」
「........けど
念の為、暫く
身を守る用心はしておきます」
「あぁ。」
「ゼン
怒って…」
「お前にじゃないからな」
「え、まさかあかねさんに…?」
「それも違う」
「........」
白雪が何を言っても自分の方を向かないゼンに、
「じゃあ」
グイッ…
「!」
「少しでいいから
こっち向いてて!
10秒!」
ゼンはここで初めて白雪を見た。
「ゼン
迎えに来てくれたこと…
言って足りるものじゃないけど
ありがーー…」
くしゃー…
「ーーー5秒でいい
十分」
ゼンは少し白雪から視線を逸らし
頭をポリポリと書きながら
「…白雪
あの山猿が
別れ際にお前に訊いて
答えなかったやつ」
(なぁ赤髪
あんたの言う自分で行くと
決めた場所って
どこよ?)
「俺から訊いてみても
かまわないか?」
「あー…
それ
私がこの国に来るって
決めた理由
この国で
ゼンがどんな風に
生きてるのか
見たいと思って
だから
それが叶う場所を
見つけるんだ」
笑顔で言う白雪に
ゼンは手を繋ぎ…
「…その場所
俺からも
お前が見えるとありがたいな
白雪
俺も
礼を言う
無事でいてくれたからな」