第2章 お出かけ
白雪が場内のメイドに案内をしてもらおうとすると
「白雪?!」
突き当たりの廊下を走るゼンが足を止め、声をかけてきた。
「お邪魔します」
白雪は笑顔で言った。
ゼンが、メイドから白雪の案内を引き継ぐ中ー…
(あれ?いないな…)
「ーーゼン
今日は木々さんとあかねさんとミツヒデさんは…」
「しっ!
今あいつらを置いてきたんだよ」
コソコソと小声で話すゼンに
「は?!」
「ちょっとした運動だ
執務続きで
体が訛ってもいかんからな」
はー、やれやれ
と言うゼンの肩に木の葉が着いていた。
「つまり
執務が続いてる中脱走してきた?」
「まぁな」
「ーーしばらく
顔を見れてなかったし
少し時間をくれるよう
文句を言うつもりだったが……」
ゼンは立ち止まり、壁に寄りかかると
「なんだ
会えたな
白雪」
腕を組みながら真っ直ぐに白雪を見て言った。
「.........
とはいえ…」
「ん?」
「窮屈かこれは…
客間か庭にでもー…」
再び歩み出したゼンの前に、
怒った表情の3人がいた。
「あ、ミツヒデさん、木々さん、あかねさん」
「やっほー!白雪!」
「やー白雪、おはよう…
何を舌打ちしてるんだ
ゼン?!」
急に現れた3人に対し、ゼンは全力で不満そうな顔をして舌打ちした。
「早いなミツヒデ
もう追いついて来たのか
よし
次はお前が逃げる番な!」
はははっと爽やかな笑みを浮かばて言うゼンに
「うわっ
追い払おうとしてるぞ木々!あかね!」
そんなやり取りをする2人を他所に…
「珍しいね、白雪来てたんだ」
「久しぶりに会えて嬉しいっ!」
「はいっ!
今日これから街の外に出るんですけど」