第1章 出会い
「今回のお前の愚行を
公にされたくなければーー…
二度と白雪に関わることも
その口で白雪の名を呼ぶこともしないと誓え」
ゼンは、ラジの前に鞘に収めたままの剣を突き出したままそう告げた。
「…何故
白雪どの…」
「どうするの?ん?」
あかねが横から件を抜きながらラジに尋ねると
「わかった!
誓う!
今誓った!」
と、降参を示すように両手を胸の前に出して答えた。
「「白雪!」」
あかねとゼンは、白雪の方を向き直して声をかけた。
「お前も言ってやりたいことが
山ほどあるだろ」
「罵るなら今がチャンスだよ!」
2人は少し汗をかきながら笑みを浮かべていた。
(2人とも、毒の影響が…)
白雪はそう感じつつも
「ーー…うん」
そう答えて、先程落ちた林檎を拾ってラジに近づいた。
ビュッ…
「どうぞ、ラジ王子」
ラジの目の前に林檎を突き出し
「見舞いの品です。」
落ちてましたよ、と、わざとらしく言った。
「ーーそれと
ゼンとあかねさんに、早く薬を!」
真っ直ぐラジを見たままそう言った。