第1章 出会い
「では面倒だが改めて
お初にお目にかかる
私はクラリネス王国
第二王子、ゼン」
背筋を伸ばし、はっきりとそう告げた。
「「?!」」
ラジと白雪は驚いてゼンを見た。
「........第二王子?!」
白雪は慌てて前に駆け寄り
「ゼ........ゼン…
しっかりして!!
私のことわかる?!」
「落ち着け
正気だよ、白雪
そして
この女は俺の側近、あかねだ。」
あかねはゼンに名前を呼ばれ、ラジに対し一礼した。
「俺たちは
万一に備えて
毒には少し慣らされていてね…」
そういうゼンは、よく見ると額に脂汗を浮かべ、顔色は良くなく、白雪はそのことに気づいた。
「…だがまさか
敵国の王子にやられるとは
思いもよらなかったがな
ラジどの」
コツ…コツ…
ゆっくりとラジへ歩み寄るゼンと、ジリジリと後ずさるラジ。
そしてラジは行き良いよく捉えられている側近を見た。
「........」
こいつは本物か?!と目で訴えたところ
「本物、本物。
ねえ、旦那?」
木々が答えた。
「ほ........本物です!
持ち物に紋章が…」
側近はミツヒデと木々の双方から剣を首に当てられ、冷や汗をかきながら答えた。