第1章 出会い
(冗談きついよー)
翌日
白雪の元に、王の使いが尋ねてきた。
「そんな……
私のような町娘が、髪色を理由に愛妾にだなんて
王子の恥になります」
丁重に対応する白雪に、王の遣いは
「その王が気に入られたのだから、なんでも良いのです。
とにかく、貴女は3日後正式に城に迎え入れられますので
身支度を。
では、本日はこれで失礼
白雪どの」
遣いの男は一礼すると城に戻っていった。
呆然と見送るしかない白雪は、我に返り、部屋に入る。
「なんでもって…
……逆らえないか。
馬鹿と名高い人とはいえ
相手が王子じゃ……
ーー仕方ない」
そう言った白雪は、近くにあったハサミを手に取り
ジャキン……
束ねた髪を切り
「国を出よう」
その髪をテーブルに置いた。
(自分のゆく道
いわば自分の物語
他人の筆で描かれたくないーー)