第1章 出会い
コンコンー…
ガチャッ
「ラジ王子!
お連れしましたよ」
「来たか!
よし、さがれ」
遣いの男に着いて部屋に案内されると、そこに一人の男がいた。
「ほう
きみがか!
なるほど…これは目を見張る
あの赤髪は本物だったのだな」
バタンッー…
「こちらへ
白雪どの」
遣いの男が扉を閉め、白雪を部屋の中に進むよう言う。
白雪は俯いたまま、ラジの元へ近寄り
「........
友人への薬をいただけるのでは?
ラジ王子」
作った笑顔をラジに向けた。
「それは後だ!
お忍びというやつで
私も時間がないからな」
「なっ........」
焦る白雪を他所に、ラジは椅子に座りながら
「それが世にも恐ろしいことだが…
私が白雪どのに求婚し
逃げられたと
市街や王宮で笑い者にされているらしいのだ
全く…
お陰で私の評判は地に堕ちかねない!」
ため息まじにそういうラジに、白雪は唖然とした
(もともと堕ちるほどの高さにないよ……)
「........それが?」