第10章 護衛
その後、白雪をおんぶしたゼンとオビが薬室に戻ってきた。
どうやら白雪は疲れて眠ってしまったらしい。
白雪を仮眠室のベッドへ寝かせ、ゼンとオビ、あかねは隣の部屋に移動した。
そこにはあかねが用意した酒とつまみなどがあった。
「あかね嬢、こうなるって分かってたの?」
オビが用意された酒を一口飲んでから聞く。
「確かに・・・いつの間に用意したんだ?」
ゼンも同じように聞く。
「ん?だってほら、白雪の事だからゼンは来るでしょ?
今日も執務続きだったし、少しブレイク出来たらいいなって思ってね。
白雪のことは、ほら・・・オビに任せられると思ったから」
「俺でお嬢さんを止められなかったらどうしてたんです?」
「ん?そんなわけないでしょ?」
「過信しすぎじゃないですかい?」
オビは笑いながら酒を飲む。
「そんな事ないよ、オビだから、任せたの」
「まぁ・・・光栄ですね」
オビは照れたように言う。