第10章 護衛
ガチャ・・・
「お
っと
起きてる」
「本当?
・・・まだぼーっとしてそうだね」
オビとあかねは白雪が休んでいる部屋の扉を開けると、白雪はソファに座っていた。
先程はベッドに寝かせたので、1度起き上がったのだろう。
「あかねどの、オビくんに呼ばれたのかな?
ちゃんと酔いが醒めるまで残らせるわ
私奥で仕事片付けてるから
申し訳ないけどオビくんちょっと見ててやってね」
「ガラクさん、お邪魔しますね」
「ま、俺は構わないけどね・・・」
白雪は窓の外をじっと見ていたが、しばらくして急に立ち上がった。
「お!?」
白雪はオビを見ることもなく、ふらふらと歩きながら外へ出た。
「オビ、頼んだよ」
「え、あかね嬢は一緒に行かないの?」
「ん・・・オビに任せる」
「ふーん・・・お、ちょっと待ってよ!お嬢さん!」
返事のしない白雪を、オビは追っていった。
「さて・・・きっとゼンも来るだろうし、白雪は落ち着いて帰ってくるだろうし。
私はお酒とおつまみの用意でもしておこうかなぁ・・・」
あかねは、オビとゼンがいれば白雪のことは問題ないと思っていた。
なので、オビに着いてきつつも、執務続きのゼンに差し入れできるように、と準備することにした。