第10章 護衛
日もすっかり暮れた頃、オビがふらっと執務室に戻ってきた。
「あれ?あかね嬢、主達は?」
執務室にはあかねしかおらず、1人で仕事をしていた。
「オビ、おかえり。
ちょっと出てるけど、しばらくしたら戻ってくると思うよ」
「ただいま
まぁ、またすぐ行くんだけどね
・・・言付けお願いしてもいいかい?」
「?何かあったの?」
「いやー、お嬢さんのところで手伝っててね
強めのお酒を薬室長に飲まされたお嬢さんが潰れちゃったのよ
だから、主に報告しようと思ってね」
「白雪が・・・
よし、わたしも行く。
ゼンにはメモでも残しておこ」
あかねはそう言うと、近くにあった紙とペンをオビに渡した。
「これだけ仕事片付けちゃうから
少し待ってて」
「はいよ」
オビは渡された紙にゼンへのメモを残し、ゼンの机に置いた。
数分して、書類をゼンの机に綺麗に置いたあかねは
「お待たせ
行こうか」
と言い、2人で部屋から出ていった。