第10章 護衛
カチャカチャ・・・
4人でお昼を食べながら、ふとミツヒデが声を上げた。
「そういえば、この4人でご飯食べるのも久しぶりだな」
「んー、確かに。
最近は私がイザナ様についてていなかったり、オビがいたりだったね」
あかねが答える。
「身近に気を休める人が増えることはいい事だ」
ゼンが食事の手をとめずにそう言うと、ミツヒデ、木々、あかねは嬉しく感じた。
「そういえば、あかねはどうなの?」
木々がふと思い出したように聞く。
「ん?何が?」
「オビと、付き合ってるんでしょ?」
「「「!?」」」
木々以外の3人は、口から食べたものを噴き出しそうになった。
「は?ちょっ・・・え?なっ・・・」
「あ、あかね!?そうだったのか!?」
ゼンとミツヒデがあかねの方を向く。
「付き合って・・・はないのかな
特にそう言う話までしてないから・・・
ていうか!木々、なにそれ、どこ情報よ!?」
あかねは慌てて木々に聞き返す。
「あかねにしては随分と親密そうにしてたから」
「・・・・・・」
思い当たることはある。
そういえば・・・と、今日は部屋に行って良いかと聞かれたことを思い出し、顔を赤くした。
「・・・気に入ってはいる。大事にしたい」
「そうか・・・
じゃあ、あいつの手網はしっかり握らないとな」
ゼンは、身近な存在に好きな男ができたことに虚無感を感じつつも、笑顔で言った。
「ふふ・・・そうする」
あかねの嬉しそうな笑顔に、3人も笑顔になり、食事を続けた。