第9章 ラジ王子の訪城
あかねは、瞬時に状況を悟った。
(外交で、かつ、イザナ様との会話、1度毒を持ったゼンがいて・・・そりゃあ胃痛もするか。。)
「あ、危なかったな・・・」
胃のあたりを抑えながら、ラジはそう呟く。
「私も・・・無造作に置いてしまったので
偉そうなことは言えませんが・・・
あかねさんが言うように
あなたは王子で、ここは他国の城です
どうかご自分の身に責任をもってください」
「むっ・・・
私が王子ということで
白雪どのに得などなかっただろうに
よくそんなことが言えるものだな」
バカにしたように言うラジに、白雪は笑顔で
「でしたら
故郷の王子が貴方でよかったと思えるくらいの方になってくださいよ」
「なっ・・・!
失敬な・・・」
まさかそんな言葉が来るとは思っていなかったラジは驚いた。
そんなラジへ、白雪は続けて言った。
「礼を欠こうが
そう願います
タンバルンでうまれた者として」
うまれた国への愛。
そして、無礼なことがあったにも関わらず
自分へ喝を入れてくれる者。
ラジは、不思議な気持ちになった。
「ーーー・・・
そ
そんな事
言われずともわかっている!!」
そう返すラジを見て、白雪は笑顔になった。
その人なら大丈夫、そう感じた。
その様子を見ていたあかねも、気の引き締まるラジへの期待、白雪の強さに感心していた。
「胃痛でしたっけ
付き添いましょうか?治療室」
「結構だ!」