第1章 出会い
「ーーつまり
これの贈り主は
家を空けて遠出している白雪の身を案じて
タンバルン国境手前の街まできている、と........
…随分と執念深い紳士のようだな?」
2人は家のソファに向かい合って座りながら
林檎とともに入っていた手紙の内容を読んでいた。
「アハハ
上手いこと言うね」
白雪は他人事のように、リボンを指に絡めながら笑った。
「何を笑ってる?!
国境を越えて
逃げるくらいの大事だったのか?!」
ゼンはふざけた様子の白雪に対し、声を荒らげて聞いた。
「........
相手が相手だったんで…」
「........」
「ーー…
タンバルンの
第一王子だったんで」