第1章 出会い
「タンバルンから
届けものだよ!」
家に戻ったゼンと白雪の元に、小柄な少年がカゴを持って訪ねてきて、重いからね、とゼンに渡してきた。
「タンバルン〜〜〜〜〜?
なんだって隣の国からこんなとこに……」
「えっ?!」
バサッ
ゼンが受け取ると、後ろで白雪が持っていた本を落として声を上げた。
白雪は走ってゼンに近づき、受け取ったものを見る。
そんな白雪に、ゼンはどうした?と不思議そうに見た。
「........!」
白雪は、カゴに結び付けられたリボンを見て驚いた。
「それ…
私が切った髪を束ねておいたリボンと同じ……」
「は?!」
そう呟く白雪に、ゼンは驚いたように声を上げた。
「カゴの中........
見てもいいかな」
「あ?
あぁ........」
白雪は、前に一言断ると、カゴにかけられた布をめくった。
「林檎ーー…」