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赤い瞳のわたしと【赤髪の白雪姫】

第9章 ラジ王子の訪城




「どうされました?ラジ王子」


中庭を歩くラジとサカキだが、ラジの顔色は優れない。


「何がだ」


「お顔の色が優れないかと」


「黙れ!!」


冷や汗を流しながら、声を荒らげるラジ。


「精神を消耗しすぎて
胃が痛いのだ」


察しろ!!と、叫びたい気持ちを抑え、コソコソとサカキと話すラジ。


「では、治療士を?」


「いらんわ!馬鹿者!

あの娘が薬剤師の職についているというではないか
鉢合わせでもしたらどうする


・・・いや、それよりもだ!
クラリネスの者に
私は外交で胃が弱る軟弱者と思われるなど
耐えられん」


身体がわなわなと震えるラジに、サカキははぁ・・・と一息ついて


「じゃあ、薬だけでも貰ってきますから
待っていてください」


「わ・・・私の名を出すなよ!!」


プライドを守ろうとするラジへ、サカキは御意、と心のこもっていない返事をして、その場を離れた。








サカキが薬室へ行き戻ってきた。

「遅くなりました
やはり具合を見て処方すると・・・」


そこには、誰もいなかった。

近くにいた衛兵が


「ら・・・ラジ様なら
「遅い!」と言い残し、城内の方に・・・」


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