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赤い瞳のわたしと【赤髪の白雪姫】

第9章 ラジ王子の訪城





タンッ!


「ーーお話があります

兄上」


ゼンはイザナの元へ飛び降りていた。



イザナとゼンは並んで歩いた。




「ラジどのとは、国政の話を?」


「話になどならないよ
まさかというか
さすがというか

誰かあの王子に
喝を入れようという者はいないものかな」


イザナは心底疲れた表情をして、肩を回した。


ゼンは、容易に想像できるその苦労を思い、あぁ・・・と言葉を漏らした。



「ゼン

軽く剣の相手でもしてくれ
体を動かしたい」


「!
これからですか?」


「のんびり世間話
でもないんだろう?」


イザナのその言葉に、ゼンは自分が今来た意図が伝わっていると確信した。



木剣の用意をして、イザナへ渡した。




カンッ!

ガッ!!

ガキンッ!!


カンッ・・・


「いいぞ、話して」


ガンッ!

イザナに言われ、ゼンは合わせていた剣を払った。


「ーー何故
白雪を知ろうとする前に
邪魔者のように扱うのです?」


「娘一人をのんびり観察していられるほど
暇じゃないからさ」


2人は手合わせをしたまま話し続ける。


「何も知らぬ内に
結論を出すほどお忙しい?」


「言うようになったなぁ」


「事が事ですので」


「ーーそれだよ」


2人は1度距離をとった。

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