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赤い瞳のわたしと【赤髪の白雪姫】

第9章 ラジ王子の訪城




「特にわたしには言ってこないけど・・・
さっきのラジ王子の発言は困ったね

白雪の立場が悪くなる」


「そう・・・
白雪、あれから元気なくて」


あれ、とは、イザナが牽制した件。
ただ、これに関しては側近としてある自分たちにはどうしようにも出来ない。


「白雪のことは、ゼンに任せるしかないと思う。
わたし達にできることは、
ゼンのやりたいことを尊重して、
白雪がやりたいと思うことを妨げないように、できる範囲で整えること・・・だよね」


「あぁ・・・」


3人は改めて、主 ゼンのためになることをしようと決意した。


そんなとき・・・



ガチャ・・・



「ゼン!」


「あ、あかねか!?」


考え込むように入ってきたゼンに、あかねは声をかけた。


「夜会まで時間が空いたから、来ちゃった」


「そ、そうか・・・」


「?ゼン、どうかした?
ラジ王子の件で、疲れちゃったよね」


「ああ・・・あいつには本当に困ったな」


ドサッと、ソファに座るゼン。


「・・・白雪に会った?」


カァッ!!


「?ゼ、ゼン?どうした??」


白雪の名前を聞いた途端、ゼンの顔が赤くなり、ミツヒデがら心配そうに尋ねた。



「・・・さっき、白雪に会った。」


「!?会いに行ったのか?」


「いや、たまたまな・・・薬室まで送って戻ってきたんだ」


「そう・・・大丈夫だった?」


あかねは白雪を思い、不安そうに聞くと、


「兄上から、牽制されたことで
参っていたよ

でも、俺にどうにかしてほしいとは、望まないんだ」


「・・・すごいね、あの子」


木々は、素直にそう言葉が出てきた。


「ラジが変なことを言ったことも、
これから周りの目が向く可能性が高いことも、伝えた。

それでも、怯まなければいいと
わかりやすい状況だと、
笑顔を作ってくれたよ」


「そっか・・・」


3人は、ゼンの嬉しそうな表情に安堵した。


「俺は、白雪の味方でいられるよう
俺に出来ることをしていくつもりだ

兄上に認めて貰えるよう。

お前たち、力を貸してくれるか?」


ゼンは、3人をしっかり見すえて言う。


「「もちろんです、ゼン殿下」」


そんなゼンに、ハッキリと答えた。
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